マイナ保険証トラブルの実態調査 “顔認証付きカードリーダーで認証ができない”という現場の大混乱
◾️マイナ保険証のトラブル。最新の実態調査結果とは
回答数が約1万件と、多くの医療機関から回答を得られており、回答内容も加藤大臣の会見内容と合致する部分が多く、一部の現場ではトラブルや混乱が大きな問題になっているように感じます。
地域:41都道府県(44保険医協会・保険医会※東京、京都、福岡が医科・歯科協会)
送付数:66,462件
全体回答数:10,023件(15,1%)
システムを運用している:8,437件(84,2%) (注2)
システム導入後、65.1%の医療機関でなんらかのトラブルがあったようですが、運用初期でトラブルが起きるのは仕方のない部分もあるため、この数字だけを見てマイナ保険証のシステムに問題があるとは言えないのですが、トラブルの種類を見てみると、加藤大臣の会見内容で指摘されていた問題が、実際に現場で起きていることがわかります。
「無効・該当資格なし」と表示された、マイナ保険証の不具合で読み取りが出来なかった、カードリーダーなどの不具合でマイナ保険証の読み取りが出来なかった、などが主なトラブルとして記載されており、「システム面・マイナンバーカード・機器の問題」でトラブルが起きています。そしてこれらのトラブルにすぐに対応出来なかった件数が1831件となっています。
件数だけ見ると、そこまで多くないように見えますが、医療機関はマイナ保険証の利用有無にかかわらず、紙ベースの資格確認からオンライン資格確認へと移行しており、このオンライン資格確認全体のうち、マイナ保険証が使われているのが現在約6%程度とマイナ保険証の利用者は実際のところ少ない状況です。今後利用者が増加していくことを考えると、このトラブル件数はけっして少なくない件数なんじゃないでしょうか。
※2023年1月8日時点でのオンライン資格確認の運用を開始している医療機関数は93.378施設(注3)
来年秋には保険証が廃止されるため、マイナ保険証の利用者は10倍以上に膨れ上がっていく可能性があり、現状のままではトラブルに現場で対応出来ないケースが1万件を超えてくる事態もありえるように感じます。
少なくとも、このような事態を避けるためにも、現場で対応出来ない状況の改善だけは早急に整えてほしく思います。
注) 2) 【記者会見6.21】10000医療機関が回答 マイナ保険証 トラブルが止まらない https://hodanren.doc-net.or.jp/info/news/230621_press/ 3) オンライン資格確認等システムについて 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001039167.pdf